もりいくすおのヤングレポート

のりあいじどうしゃ

2013 年 6 月 19 日

バスが広尾の都営アパートのバス停を出てすぐ、老婆が
「おろして、おろして!」と言いだした。
うっかり降りそびれたらしい。
「すいません停留所をはずれてますから」と運転手。
運転手が話し終わるのを待ってふたたび
「おろして、おろして、おろして、おろして!…」
「停留所をはずれちゃってますから!」
老婆「はずして、はずして、はずして、はずして!」
老人というのは、高まると他人が話してる単語を意志と関係なくトレースすることがある。
「はずして、はずして!」

事件直後の画像。

事件直後の画像。

●最初の「おろして」の時は「降ろしてやるがいいじゃねえか」とでしゃばろうとも思ったが、「はずして」といいながらドタドタ足踏みをはじめたばあさんを見て「この無理は道理を引っ込めるな」と見込んだ。
運転手は「じゃあちょっと寄せますから!」
老婆「ハイ」
この老婆は他人が喋ってるときは黙って聞く。
そのまま降車扉を開けても危険が無さそうな状況だったが安全を建前に仕事をしてる運転手さんとしては悔しい妥協。
「ほかのお客様のご迷惑になりますんで!」と恨み言の運転手に
「ハイ」
と言って彼女は降りていった。


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