「ケロヨンのぼうけん」

keroyon
ならぬ堪忍、するが堪忍・・・

薬のコーワ社のカエルキャラを「ケロヨン」と呼ぶ人が多いがケロヨンとは、昭和40年代に大ブレイクした子供テレビ番組
「木馬座アワー」のカエルの着ぐるみの主人公なのであります。
数年前、映画版がビデオで出てて、依頼、家宝である。
わたしは絶望的に重い映画も、破天荒に前向きな映画も両方好きだが、そういった意味で「ケロヨンのぼうけん」はモーゼンと「前向きな映画」ベスト3に入れられる。

主人公ケロヨンは4代続いたカエル屋敷に住む街の名手で、彼はクルマで事故っても現場に事故車を放置して逃走、またすぐに新しいクルマを自分でデザインして乗り回すなど、気ままに暮らしていた。
そんな彼を羨んだ(そりゃ羨むわ)森で孤独に暮らす隻眼のタヌキギロバチは仲間と一緒にケロヨンを森の洞窟に監禁して屋敷を乗っ取り、しまいには不始末から伝統ある屋敷を全焼させてしまう。
それまでにも、いくたびも自動車を盗まれたり、催したイベントをメチャメチャにされてたケロヨンと仲間たちだったが、彼らはそのたびごとに、くやしがるものの「前向き」に新しいことをモーゼンと始めていた。
洞窟の監禁で殺されかけ、最終的に家まで焼かれたケロヨンだが「前向き」に自分達の手で屋敷の再建工事を始める。
このころになるとギロバチ(窃盗、詐欺、脅迫、器物破損、暴行、誘拐、監禁、殺人未遂)は度重なる「慈悲」にたいし、すっかり心を入れ替えて、大工の手伝いをするようになっていた。

このあきれ果てるようなケロヨンの「前向き」な態度とはいったいなんなのか?!
なんだか宗教的な意味合いすら感じる。
実は彼の「精神」が劇中の「ケロヨンおんど」という歌にこめられていた。

♪ケロケロケロヨン、ハイ、ケロヨン
大人も子供もハイ、ケロヨン
カッコイイステキな合い言葉
ケロケロケロヨン、ハイ、ケロヨン
世の中いろいろあるけれど
いや~なことなどケロヨンと忘れ、ケロヨンで行こう~!
ア、ソーレ!ケロヨン、ケロヨン、バハッハ~~イ!!

合い言葉って言ってるけど、もうお念仏のようなものだ。
とは言うものの財産を盗まれても焼かれても遊んで暮らせる、ケロヨンの持つ「遺産」のパワーも彼の心の余裕を産んでいると言えよう。
気の持ちようと共に、やっぱりカネだと訴える?この映画、深いぞ。
バハハ~~イ!!