もりいくすおのヤングレポート

がっかりです

2026 年 7 月 15 日

90歳近い恩師と電話で話した。
「最近どうなんだ」と聞かれたので、「この年まで個人事業主として、無借金で続けてこられたのは運が良かった」と話すと、先生は
「ああ、それはお父さんのおかげだ」
と言う(恩師と父は古い知り合い)。

「は??なんでですか?」と問うと、
小学生のころ、わたしの描いた年賀状の図案を父が木版にして刷っていた思い出を、先生は五十年経った今も覚えていたらしい。

すいません。えーと、それが??

…とは、言わなかったけど。笑

昔の人の、目下に対する態度には
軽率さが目に余る。

●先生としては、親への感謝や、小さい頃のわたしの才能をおもしろがった父の感覚を讃えたかったのだと思う。
私にしても、学校にいかせてくれた経済面での支援など、親への大恩は感じている。

ただ、才能を評価してくれた人物については、小学校〜高校までの友人たちも、石ノ森章太郎先生に会わせてくれた叔母も、「おまえは勉強しないでいい、ソレ描いてろ」と言ってくれた塾の先生などなど、いっぱい恩人がいる。

わたしには、親元を離れてデビュー以来の40年間、自分で仕事を選び、失敗し、工夫しながら続けてきた人生の主語を、他人にすり替えられたように聞こえてしまった。
だから、彼の発言には、そばで応援してくれた森井ユカの存在もディレートされているのだ。

逆に両親は、進路相談でも後ろ向きだったしフリーランスの生き方をけなしもしたし、母親にいたっては桑沢入学や現在の仕事も全否定だった。
連載を持つまでは、とても”理解者とは呼べない”存在だったのである。

それを全部なかったことにして、「40年無借金は親のおかげ」の一言で処理されてしまうのは、いくらなんでも受け入れられない。
それも、我が家の事情など、なんにも知らない人に。

本人の主体性を”別の誰かの功績”だと言われてしまうと、心からシラケる。
悪気がないからタチが悪い。
初対面の頃の18〜9歳の教え子のまま、私との関係性をまるでアップデートできないなら、ちょっとこの人とは距離を置きたい。

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