ちちのひ
2024 年 6 月 16 日
子供の頃、私は父のことが大好きだった。
父の記憶力、ゲームの強さ、器用さは素晴らしく、私にとってはヒーローだった。
今思えば、私が自分の趣味を持ち始めた頃から、次第におたがいの気持ちが離れていったように感じる。
父はいろんな偏見を持っていて、自分の意に沿わないものを他人が好むと、理由も聞かずにそれをケチョンケチョンにけなして、強引にその好みを変えさせようとしたものだ(わたしの職業にまでその牙は向けられた)。
●精神疾患を抱えた人物に滅多刺しにされて死んだライターの村崎百郎さんは生前こう言っていた
「女と別れたかったら簡単だ。そいつの大好きなものを徹底的にケナせばいい」
…それがホントなら、父は息子に宗旨変えさせようとして、無意識に自分を嫌わせるバイアスをどんどん掛けていったわけだ。
同時に、わたしは大好きなものに対しての価値を再評価し、守りに入ったかもしれない。
でも現在、90近くなって母からの悪態にも負けず(耳が悪いのが好都合)彼女のヘソクリにたかる、前向きな生命力には感心しています。
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