もりいくすおのヤングレポート

てさぐり

2021 年 12 月 17 日

古い映画雑誌をヤフオクで買って読んでて、日本で初めて「カラーの」の忠臣蔵映画を手掛けた、当時のアレコレがいっぱい載ってて楽しい。
全体を淡い色で撮るけど、放蕩三昧は少しビビッドにする狙いとか。白が難しくて白黒映画時代からフェイクスノーの素材を変えてみる(麩から合成樹脂に)とか、シミ・そばかすやヒゲが濃いのが写っちゃうのをどうしようとか…。
明治時代からのベテランスタッフたちが「色彩映画」作りにすごく苦慮している。

よく「時代劇を撮れる人がいなくなった」的なコメントを、寂しい意味柄でどっかから聞いたことがある気もするが、いまだってVRにしてもハイビジョンにしても、「初めて」とか「黎明期」はつきものであって、そりゃあ現場にベテランがいてくれれば世話がないけど、正解は自分で作ればいいですよねえ。

昭和31年の近代映画増刊。

●ついこないだCSで、映画「モスラ」(’61)を4Kでリマスターするメイキングをやってたが、「公開当時の美しさ」に戻すのに、スタッフが一丸となって、1コマ1コマ気の遠くなるような作業してるのがかっこよかった。

あ〜あ。東映にも、東宝みたいなセンスがあったら「赤穂浪士 天の巻・地の巻(先述の日本初のカラー忠臣蔵)を、リマスターしてくれるんだろうになあ。
セルビデオの着手も一番乗りだったし、DVD黎明期のときから字幕を入れるとか、東宝ってやっぱりユーザーのこと考えてる、娯楽映画会社だよなあ。

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