「宇宙大作戦」1966~1969

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「宇宙大作戦」1966~1969

この偉大なテレビシリーズの存在は前から知っていた。ファンがいっぱいい
るのも。
しかし自分がトレッカー(スタートレックオタク)になるとは思っていなかった。

以前、深夜番組でたまに「宇宙大作戦」や「新スタートレック」をチラッと
見かけてもその時は面白いと思わなかった。
そもそも作り込みのちゃんとしたモノというのは見た目の奇抜さが二の次に
なりがちなので、チャンネルをまわしてる途中で見かけただけでは面白くな
さそうだなどと思うのは当然のことであります。
また「スターウォーズ」を観てすっかりスペースオペラにハマッた子供時代
を過ごしたわたしには、奇抜なデザインの異星人と光線銃で戦争をするのが
SFと思っていたのである。

しかし、実はいろんなSF映像作品のエポックメーキングとなってるスター
トレック・シリーズの敷居が高かったというのも正直なところである。

しかし、無視して生きていこうにも、ちょくちょく「スタートレック」は
わたしの目の前に現れては消えた。
サタデーナイトライブではJベルーシがパロディコントをやっている。
「バックトゥザフーチャー」で主人公がふざけて「わたしはバルカン人だ」
と言い、シンプソンズでミスター・スポック他が出演し、
友人宅にクリスマスに訪れるとBGMのかわりにエンタープライズ号のコクピ
ット内の音のCDがかかってる。
もうさっぱりわけがわからない。あんなに面白くなさそうなのにどうしてこ
んなにも愛されているのか?
「これは何世代にも渡った根が深い宗教のようなもので、とうてい途中から
仲間にゃ入れねえな」と思った。
理解できないとともに抵抗さえ感じた。

「新スタートレック」1987~1994

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「新スタートレック」1987~1994

しかし横目で深夜番組の「新スタートレック」をチラッチラと観てて、いつの
まにかハマッてしまったのであります。
魅力を簡単に言うと重厚な物語、ドラマ部分です。
そしてその背景に便利で豊かな空想的未来が描かれている。

ハマったのは「新スタートレック」第3シーズン。
なぜかシーズンの頭から観る機会に恵まれ、毎週観た。
どれも聞いたこともない&考えたこともないストーリーばかりだった。
第3シーズンには黒沢の「羅生門」のようなハナシもあったから全部が「聞
いたこともないエピソード」と言うとウソになるが、それはそれで斬新だった。
「SF」という武器であらゆるテーマを扱う強みを存分に利用している。
フジテレビの深夜放送で観ていたが、東京でのシリーズの放送は他府県より遅
く、ファンの話題についていけなかったんでレーザーディスクを全巻買った。
ボックスを20巻から買うのはすげえカネがかかったが、それほど観たかったのだ。
一番面白いのは第4,5シーズンと言われるが、賛成。(ちなみに第7シーズンで完結)
気がつくと関連書籍を買いあさりネットサーフィンをしまくって情報を集めていた。
トレッカーになっていた自分を自覚した。
いつの間にか感染し、病魔は知らぬうちにわたしの体をむしばんでいたのだ。

以前わたしの絵でキャラが展開するプレステのゲームを作ったときに「新スター
トレック」ウォーフ大佐役の銀河万丈氏が主人公の声をあててくれることにな
って録音スタジオでお会いしたとき、氏はまだ未発表だった映画「スタートレ
ック叛乱」の台本を見せてくれた。
あの時はうれしくて死ぬかと思った。

本土アメリカの視聴者も面白がったので新シリーズがどんどん製作された。
新シリーズ(スピンオフシリーズ)というのは、言ってみれば「サザエさん」
でたとえれば、ノリスケさんが主人公の「ノリスケさん」というアニメが
あらためて作られたり、タラちゃんのオトナ時代を描いた「タラ・ネクストジ
ェネレーション」がある、といったことである。

「ディープスペースナイン」1993~1999

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「ディープスペースナイン」1993~1999

新シリーズの「ディープスペースナイン」は「新スタートレック」をさらに
重くした内容で、第1シーズンで元レジスタンスが戦犯と牢獄で対峙して
語り合うだけの「謎のカーデシア星人(原題:デュエット)」というハナシ
があるのだが、これは何度観ても泣けた。
これは元・大日本帝国の国民にはいろいろ考えさせられる作品だったのだ。

主に社会問題や人間の心理を描こうとする「ディープスペースナイン」は
見終わったあとに「なるほど」とうなってトクした気分になるが「ヴォイジ
ャー」というシリーズは正直、少し簡単なかんじでした。
んまあそれでもゴヒイキですが。

以降スカパーでは次から次に新作が紹介されている。
ラスベガスにはシリーズのイメージをアミューズメント化したカジノがある。
ほんとアメリ人というのは「楽しむ」という術をいろいろ心得た連中だ。

<最後の編集:2011年3月>

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「ヴォイジャー」1995~2001

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「エンタープライズ」 2001~



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